山形県がナショナルジオグラフィック「Best of the World 2026」に選出
ナショナルジオグラフィックが選定する「Best of the World 2026」に、日本からは山形県が唯一選出されました。この名誉ある選出をきっかけに、全国1,000人を対象とした山形県への来訪意向や訪れてみたいスポットに関する意識調査が行われ、山形県の魅力と旅行計画における課題が浮き彫りになりました。
山形県選出の認知度と旅行経験
調査によると、「Best of the World 2026」に山形県が選ばれたことを「詳しく知っている」「なんとなく聞いたことがある」と回答した人は全体の15.7％にとどまり、84.3％が「このアンケートで初めて知った」と回答しました。この結果は、山形県の魅力がまだ多くの人々に知られていない一方で、今後の情報発信による観光客増加の大きな可能性を示唆しています。
山形県への旅行経験については、58.2％が「一度も旅行したことがない」と回答しましたが、41.8％は過去に旅行経験があることがわかりました。初めて訪れる人には「入口のわかりやすさ」を、再訪する人には「前回とは異なる新たな体験」を提供することで、さらに多くの旅行者を惹きつけることが期待されます。
訪れてみたいスポット上位は『銀山温泉』と『蔵王温泉』
ナショナルジオグラフィック「Best of the World 2026」に掲載された山形県の観光スポットとして、以下の場所が挙げられています。
-
蔵王温泉
-
銀山温泉
-
山寺
-
出羽三山
-
上杉神社
-
山形城跡・霞城公園
これらのスポットの中で、特に「蔵王温泉」と「銀山温泉」は多くの人に知られています。調査では、63.5％が「蔵王温泉」を、44.3％が「銀山温泉」を知っていると回答しました。
そして、一番訪れてみたいスポットについては、「銀山温泉」が34.3％で最多、次いで「蔵王温泉」が33.4％と僅差で続き、この二つの温泉地が圧倒的な人気を誇ることが明らかになりました。山寺が6.9％、上杉神社が5.1％、山形城跡・霞城公園が4.7％、出羽三山が3.6％という結果でした。
銀山温泉：大正ロマン漂うノスタルジックな温泉街
訪れてみたいスポットで1位に選ばれた「銀山温泉」は、NHK連続テレビ小説の舞台にもなったことで全国的な知名度を誇ります。ガス灯が灯る夕暮れ時、木造の旅館が立ち並ぶ温泉街は、まるで大正時代にタイムスリップしたかのような幻想的な雰囲気を醸し出します。冬の雪景色は特に有名で、その美しい情景は写真や動画で多くの人々を魅了しています。
温泉街を散策するだけでも楽しめますが、共同浴場や足湯で手軽に温泉気分を味わうことも可能です。周辺には、銀山温泉の名前の由来となった「銀山洞」の跡地や、「白銀の滝」といった自然豊かな景勝地もあり、散策と温泉を組み合わせた滞在がおすすめです。
蔵王温泉：開湯1900年の歴史を持つ名湯と大自然
2位にランクインした「蔵王温泉」は、開湯1900年という長い歴史を持つ日本有数の温泉地です。強酸性の硫黄泉は「美人づくりの湯」とも称され、肌への効能が高いことで知られています。温泉街には、複数の共同浴場や日帰り入浴施設があり、湯めぐりを楽しむことができます。
冬には、スキーやスノーボードのメッカとして賑わう「蔵王温泉スキー場」があり、樹氷のライトアップは幻想的な美しさで訪れる人々を魅了します。グリーンシーズンには、蔵王ロープウェイで山頂へ登り、雄大な自然景観やトレッキングを楽しむことも可能です。四季折々の表情を見せる蔵王の自然と、良質な温泉が大きな魅力です。
その他のおすすめ観光スポット
温泉地以外にも、山形県には魅力的な観光スポットが多数存在します。
-
山寺（立石寺）: 奇岩が連なる山全体が修行の場であり、1,015段の石段を登り切ると、絶景とともに達成感が味わえます。松尾芭蕉が『おくのほそ道』に詠んだことでも有名です。
-
出羽三山: 羽黒山、月山、湯殿山の三つの聖地からなる修験道の霊場です。それぞれの山に独自の歴史と文化があり、参拝を通じて日本の精神文化に触れることができます。
-
上杉神社: 米沢市に位置し、戦国の名将・上杉謙信を祀る神社です。境内には宝物殿などもあり、歴史好きにはたまらないスポットです。
-
山形城跡・霞城公園: 山形市の中心部に位置する、広大な敷地を持つ公園です。春には桜の名所として知られ、歴史的な建築物と季節の花々を楽しむことができます。
これらのスポットは、銀山温泉や蔵王温泉への旅行と組み合わせて訪れることで、山形県の歴史、文化、自然をより深く体験できるでしょう。
山形旅行を計画する際のポイント
山形県への旅行意向に関する調査では、55.8％の人が「2年以内に行きたい」と前向きな姿勢を示しました。旅行したい理由としては、「自然・景観」（49.1％）と「温泉」（34.8％）が上位を占めており、山形県が誇る豊かな自然と温泉が旅行の大きな動機となっていることがわかります。
一方で、旅行をためらう理由や困りごととしては、「移動時間」（18.6％）や「交通・アクセス」（14.0％）が挙げられました。特に、遠方からのアクセスや県内での移動手段、冬場の降雪・天候への不安が主な懸念点です。
山形県への旅行を検討する際は、自身の居住地からの交通手段や所要時間、そして季節ごとの見どころや準備すべきものについて、事前に情報収集を行うことが重要です。具体的なモデルコースや移動手段の案内が充実することで、よりスムーズに旅行計画を進めることができるでしょう。
この調査の詳細は、以下のURLで確認できます。
https://partido.co.jp/news/best-of-the-world-2026-research/
まとめ
ナショナルジオグラフィック「Best of the World 2026」に選出された山形県は、銀山温泉や蔵王温泉をはじめとする魅力的な温泉地と、豊かな自然、歴史的な観光スポットが数多く点在する地域です。移動に関する情報が充実すれば、さらに多くの人々が山形県での素晴らしい体験を享受できることでしょう。次の旅行先として、山形県を検討してみてはいかがでしょうか。
